君の手はあまりに冷たいから/
松本 卓也
君の手はあまりに冷たいから
突然背中に触れられると
思わず身震いしてしまう
君はそんな僕の様子に
少しだけむくれてみせて
少しだけ拗ねた目をして
きっと笑ってくれている
離さないでいてくれる
背中から伝わる温度
そこに居ると言う事実
君の手はあまりに冷たいけれど
やがては僕の背中で溶けて
寂しげな過去に凍る心さえも
微笑みに変えていくからね
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