俺と死神 −夕焼け眼鏡−/蒸発王
 

“眼鏡の度があってませんよ”
 
俺には死神のじぃちゃんがいる
母さんの名付け親だ


父さんが死んでから
母さんは死神のじぃちゃんと二人暮しを始めた
俺が面倒を見ようかとも言ったけれど
逆にさっさと身を固めろと小言をもらった

その母さんもいいかげん歳なものだから
最近老眼が進んで新聞が読みにくくなっているらしい
ちょうど勤労感謝の日も近いし
たまには親孝行をしてあげようじゃないか と
下見のつもりで行きつけの眼鏡屋に踏み込んだ
そこで偶然にも死神のじぃちゃんと会った
母さんの老眼鏡の下見に来たなんて言うのは
少し恥ずかしいような気がしたので
とっさに自
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