水、お湯、インスタント/クローバー
 
まったでしょう



沸騰したら、大きな泡を、僕は覗き込んで、君に、お湯だよと言えたのに

君は、いつまでも、中途半端なところで、僕に、聞くのです



僕も、中途半端なことをわかってて、

適当には、答えられたらよかったのだけれど、答えられないのです

適当でも、水か、お湯か、を、はっきり言えたなら

僕らは、今も、二人でゆだっていたのでしょう



なべの中には、インスタントラーメンを

適当なタイミングで、沸騰なんてしてなくても、

入れてしまえる僕だけど

君が絡むと、説明書どうりになってしまいます



つまりはそういうことなのでした

僕は、僕らを不味くしないように怯えて

君と僕の温度では、僕らをゆでられないのです

なべに、いれられないのです



抽象的にしか言えないけれど

それを謝れるほど

僕は、君を嫌いには、なれなかったのです。
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