朝が追い越して/霜天
型にはまった言い回しで
誰かが時刻を告げている
競うように流れてくる朝の占いは
いつかどこかで、聞いたことがあるような気がする
十、からゆっくりと順序を数えていくと
決まった場所に電車は来て、その口を開ける
私が、この手を伸ばしても
何も変わらない気がする
流されていく景色は
青かったり白かったりするけれど
それもきっと、届くほどに近い
何かが変わっているのなら、その道はどこに
そしてまた吐き出される
どこかで出会った始まりの日に
うつむく私を追い越していく、朝は
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