againstantrain/haniwa
い女の子も
三分で考え出されたようなキャプションの中吊り広告も じつは考えている
手垢でべとべとになったつり革だって
iPodも ウヲークマンも ぼそぼそアナウンスする運転士も
この地下鉄が 長いトンネルを抜けて
どこか 蒼い海か草原のようなところにたどり着いてしまえばいいと
そんなしみったれた電車に乗り遅れまいと
今日も走るきみのために
つぎは 五分で考えた詩を贈ろう
その詩の中では 自動改札機の前でダンスを始めたり
プラットフォームで歌ってみたり
階段の途中で前転してみたり
線路も電線もないのに電車が走ったり
家族みんなが自分の飛行機をもっていたりする
きみはそれを二秒で破り捨てるかもしれない
あるいは 改札口でタップくらいしてみるかもしれない
次の電車が来る前に
僕はそれを考える必要があるのだ
ぼくらが子供じゃなくなってから
そろそろ11年目になろうとしている
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