罪/
たもつ
夕暮れ
警察署の壁面が赤く染まる頃
帰宅途中の私はその前に来るといつも
自白する
通勤鞄の底のそこでは
見慣れぬ証拠物件が小さく笑っているが
立番の若い巡査はそ知らぬ顔で
手錠をじゃらりとさせる
のを
背中で聞きながら
県庁舎下の吹き抜けを通り
落下していく
夜の街へと
戻る
編
削
Point
(6)