女性詩(をんな さが うた)/恋月 ぴの
あなたが一番きれいだったとき
しがらみの廃墟に靡く 硝煙を仰ぎ
自由とは このことかと
愛しき髑髏ひとつ 胸に抱き 街を彷徨う
あなたが一番きれいだったとき
一枚のルオーに なりたいと
無数の櫂にかざす をんな の 手首は
愛しきものを慈しみ 立たせぬ一行に思い馳せる
をんなであることの 誇りを 求めつづけ
をんなであることの 明日を 求めつづけ
をんな が をんなであることを 求めつづけ
をんなの子宮で紡ぐ 人生 は
挙手の礼しか知らぬ ものどもには 判らぬと
あなた は しれっと答へ 墓の中
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