鏡/雪原の下/
久野本 暁
開いた手の平はどこまで近づけても絡み合うことは無かった
遠ざかる程に
近付いた時を
悔やみ
縁取りを風で見失って幻影に惑わされるだろう
触れ合っていたはずの頬さえ今は冷たい
互いの手を 互い違いにならない手を
同じテンポで伸ばしてみても
触れ合ったはずの指先は今も冷たい
開いた手の平はどこまで近づけても絡み合うことは無かった
戻る
編
削
Point
(1)