女王なのだよ あたしたち/むらさき
 
女王なのだよ
あたしたち
何も入っていない
おなか突き出して歩く

白線の上を
手ぶらのまんま

ふちどられた
土地は
不毛の匂いが
するのさ

あたしの
体を死んでいった
動植物が
通るので
くすぐったくて
仕方ありません

お月様

満月になるのは
いつごろですか

女王なのだよ
あたしたち
どうやら
産まれた時から

おなか突き出して
歩く

誰も入っておりません

代わりと言っては
なんだが
胃 などが
あるのだった

それでも
体温は
哺乳類らしく
保たれている
幸運

女王なのだよ
あたしたち

帝国の

いや

国というより
むしろ
星の

それに対して
万歳というのである



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