追儺の朝/
バンブーブンバ
電線に疾風わたる
わたりゆく
音は
こする
鼓膜は
朝から
私を
しらせる
トタンの屋根に粉雪つもる
つもりおつ
光は
こごむ
瞳は
朝から
私を
うしなう
ひとつひとつは
引き剥がされて
あちらこちらに
寄る辺をもとめて
なけなしの私なんか
鼓膜や瞳や唇なんかが
万象に戯れるのを
愛眼をもって
ひとつひとつの
首輪を弛め
放ち
豆を 撒き
のっぺらぼうを
晒して歩く
ひとり
追儺の朝
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