かしこに/
jei
冷気も熱気もふきだまる、いにしえの都
盆地のそこかしこに
立ち昇る仏寺の香はそこかしこに
自然のものだったはずの土地は縦横無尽の
区画されたまちへと緊縛
亡きあの人の菩提に緊縛
思い出に緊縛
むしろ僕自身が新生する必要に気づくために緊縛
立ち昇り、盆地を満たす仏寺の香
飛び降りるべき清水の舞台はそこかしこに
燃やすべき金閣寺はそこかしこに
かしこに
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