夕方のベル/緑茶塵
僕の記憶をたどったら、金色のベルが鳴るよ
それはとても心地よい音をしていて、白いヴェールを被った女の子が金色のベルを鳴らす
夕方になると、女の子の持つベルのふちが赤い色に染まって、ベルは余計に綺麗に見える
でもそれは悪魔の音色
僕を誘惑する、堕落の音色
彼女の微笑が頭から離れない
ベルの音色が頭から離れない
でも僕はそのベルの音を聞きたくて、こっそり家を出る
女の子が通る道には誰もいなくて、僕はその後をついていく
気が付くといつも夜
もう町のはずれで、白のヴェールは綺麗な音色と一緒に遠ざかっていく
僕は町のはずれで立ち止まる
白のヴェールの女の子が、こっちを振り向いて微笑んだ気がしたよ
戻る 編 削 Point(1)