勝手な手紙/ふく
 
静かなピアノを聴いて
ふとあなたを思い出します
短かったけれど
あなたを



元気でいるでしょうか
外の空気をうまく飲み込めていますか?
あなたの耳たぶには
まだ私が生きているのでしょうか



たとえ死んでいたとしても
あの時送れて良かったと思っています



あの日の私はきっと
もう見えないところで息絶えたのでしょうね
だから私はもう
あなたをみつけることもかなわない



かなっても手を伸ばせそうにありません



勝手な私のうたは風にも乗れません
深い深い雪の下に見えないように沈めておきます



でも本当でした
勝手ですけど、本当でした



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