「 屈折した火曜日。 」/PULL.
 


ぼやけてしまう。

だけど、
ぼやけて欲しい世界もある。
だけど、
ぼやけて欲しい瞬間がある。

もちろん、
レンズは人。

明日もそうだとは限らない。
明日もその人だとは限らない。

夜明けまで重なり合っても、
ちょっと眠れば別のレンズ。

月曜日の朝には、
雨に濡れて割れる。

こともある。




例えばわたしが硝子だとする。
だからあなたは屈折して下さい。

気に入らなければ、
どうぞお割りなさい。

決して恨みはいたしません。












           了。


戻る   Point(9)