道の先に蜃気楼/maumi
長くどこまでも長く伸びた影の
先まで続く孤独な道を
永くどこまでも永く燃えた風の
先まで続く蜃気楼の道を
誰の為でもなく
永く伸びた髪を縛り
赤茶になびく砂塵の懐
開くオルゴールの羽根も
何時ごろ切れたのかも判らずに
ただ蓋を開け閉めしては
くすんだ音を聴いている
寂しいと感じたことはない
遠く遥か昔に置いてきた記憶と
切れたオルゴールの羽根は
いっしょに失くしたのかも知れない
影も風も髪も
今より遥かに短い自分自身は
群像の愚かさにも似て
あの日を捨てたのかもしれない
ここにきて
何かに逢い
導かれ繋がり
諭され悟り
灯すあかり
群像の愚かさに似て
僕の歩む道に
ひどく蛇行した
かがり火の道一つ
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