とげ/
あおば
百年間に一人も生まれなかった
小さい色したかえるの子
百年間は長くて短い
言葉の留まる時間もない
小さな木の葉が地面に落ちる間に
過ぎてしまった
緑色の葉が褐色に変じて
朽ちゆく速度
指先に刺さった褐色の棘
中傷を逃れて自由になった
捨てられて朽ちてゆくのか
紅いバラを守った緑の棘
鋭く空に牙を向ける
質問 小さい色とはどんな色
(作 81.6.18)
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