こんにゃく時代/角田寿星
 
トが天然ボケぶりを発揮して
んなわきゃねーだろう とみんなでウケる
そうだ つまんないことで俺たちはいつも大笑いしてた
ニノミヤが はにかみながら小声で
シビれた手ですると 自分の手じゃないみたいで いい
と言う
俺たちは放課後 帰りがけのスーパーで
おひとり様 一枚づつ こんにゃくを買う様子を想像して
こりゃあ エロ本買うより勇気いるなあ と
始業のベルを聞きながら
議論を終えた

次の休み時間 フルカワが開口一番
俺 授業中 ずっとヤラしいこと考えてた ぼそっとつぶやく
実は 俺も ヤラしいこと考えてた ミヤザキが
実は 俺も オニツカが
俺も カマダが
俺も ヤナギハラが
俺も マツモトが
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