紅い花/チアーヌ
寒空の下
風に吹かれ
飢えと
渇きと
もう生きていてはいけないと
説得されても
首を垂れ
ぼろぼろの花弁を開き
咲いている
紅い花
もうお仕舞いなんだよ
もう待つ人は来ない
来年また会いましょう
大きな鋏が刃を広げ
わたしの首元へ
ねえ
もう少し待って
あの人が来るまで
もう少し待ってちょうだい
花の季節は終わりだと
あなたは言うけれど
わたしはまだ咲いているのよ
花弁は傷だらけ
もう回りには誰もいない
艶を競った姉妹たち
ライバルだった友人たち
みんなみんなもういない
わかっているの
わかっているけど
紅い花
紅い花
もうお仕舞いなん
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)