冬ざれの詩(うた)十五/信天翁
 
 朝 南垂れのベランダに届けられる
冬陽という なによりのご馳走がある
     夜 裸木に呪文をとなえる
 北風という メッセンジャーがいる


      庭隅のわくら葉は いま
 脳神経を神の分身に祭りあげたのち
 息をのみこんで果てようとしている
   透明な四次元に看取られながら
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