メンテナンスナンシー/黒川排除 (oldsoup)
 

      素手で掴んだことがある指が溶ける
      化石の靴は今でも地面に張り付いて
      遠ざかるわたしを見ている
      なるほど道理で目を閉じている
      この墨を撒いたような故郷
      この私道
      この簡易プラネタリウム
      残骸なるまま
      砂時計をひっくり返す
      やあ、今
      丘が恐ろしく盛り上がる岩石
      遅滞する流れ
      わたしは唇を噛んで
      ただそれだけ
      (血であるとかなんとか?
       ブザーを鳴らさなければ 死ぬ)
      
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