[ 15歳の私 ]/渕崎。
15歳の私は、
紺色のセーラー服を身に纏い
銀色のありふれた自転車をこいで中学校に通ってた
その日の授業科目に一喜一憂しては
友達と他愛もないお喋りをして
笑い転げていたはずだ
未来なんて遠いこと過ぎて、
今日と明日が私の中の全てだった。
15歳の私は、
紺色のセーラー服を身に纏い
くたびれたズタ袋に参考書を詰め込んで塾に通ってた
つまらない数学の公式に数字を当て嵌めながら
隣の席の友達とひそひそ話をして
くすくす笑っていたはずだ
未来なんて思いも浮かばず、
ただ間近に控えた高校受験だけが全てだった。
20歳になる今の私は、
長すぎる人生の岐路で迷子になっている
未来は未知数すぎて、もうわからない
何でも出来ると思っていた子供の私は、もういない。
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