おまえに/木立 悟
寒気(かんき)の傷
素手しか使わず皿まで喰らう
激しい美食家たちに囲まれて
砂傍(さぼう)と別梳(べっそ)に
おまえの知識は吸いとられてゆく
笑いのこだま さざめき
跳梁の中
かぎつけて
かぎつけてやってくる
角へ 角へと
ただおまえを追いつめるため
素子(そし)もたゆたわぬ
未明の大地にて
思えば遠いおまえから
怨(おん)の繋ぎを見せられたのだ
放て
あされ
おもいだせ
おまえの怪物
消えてしまった表情
しまい忘れた風景
ああ焼けつくよう
おまえの背に頬をあてて
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