足/壽瀬 チカ
足 祷瀬 チカ
遮光性のロールスクリーンを低く下ろされた向こうは
部屋の中とは別に
太陽が活動していて
蛍光灯の暗さで閉ざされた方からしてみれば
目眩がする散乱光の中
新しく 塗り潰されたアスファルトの黒は
熱をひたすらに吸収して
白く引かれた横断歩道が
白く確認され
次々と集まってゆく
足
てらてらと光るストッキングの
或いは むき出しの
或いは スラックス
となって固まり
無意識にあるいは意思を持って
もう見えはしない
あちら側へと渡ってゆ
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