死神と私 −白い蛾−/蒸発王
“白い蛾が産まれると困るのでしばらく家を出ます”
“追伸”
“白い蛾を見ても殺してはいけませんよ”
こんな置手紙を残して
死神が家から居なくなりました
いつも一緒にいた名付け親が急に居なくなったので
しばらくは置手紙に向かって怒ったり泣いたりしていたのですが
死神が出ていって間も無く私は身ごもり
いろいろと忙しくなってあっというまに母になりました
そして息子が産まれてから
死神はひょっこりと戻ってきたのです
とりあえず三時間ほどお説教をしましたが
息子が少し大きくなった今
昼間私が仕事に出ている間に死神が子守りをしてくれています
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