お湯の入った水槽の中で/こめ
ポチャンと天井から
水滴が落ちてきた
湯気が拡がった
お湯の入った水槽の中で
ぼくは体育座りして
悲鳴のようなため息を
一つ吐いた
横に置いていた砂時計がゆっくりと
砂を落としていた
ふと何かの弾みで
お湯の中に砂時計が落ちた
ゆっくりと沈んでいった
まるで底なし沼に入っていくように
そしてゆっくりと
上がってきた
そしてプカっと
ぼくの目の前に浮いてきた
砂時計の割合は
9:1これはぼくの
影と光の割合のような
グラフとかしていた
お湯の中のぼせた僕は
なにかここでしか味わえない
何かを感じ取って
空想の中へ飛び込んでいった
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