*おなじ仕事*/かおる
太郎君があっと喚いて
花子さんはいっと呻いた
同じ本を読んでいたのにね
次郎さんは右に行きたかった
正子さんは後ろに走りたかった
ただ、エビが高かっただけだった
三郎さんはウルトラQ的でんぐり返りで
みどりちゃんはアクセルルッツが飛びたくて
それでもみんな黙々とわけも解らず歩いていくの
たかし君は山を登るようだと宣い
りかチャンは階段を下りるみたいと呟き
あなたはまるでハツカネズミの回し車だと言う
ただ、息を吸って吐いている
気分だけが十人十色
そうおもう
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