ブランコから見た空は海に似ていた/ベンジャミン
 

ブランコから見た空は海に似ていた


悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る

浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて

君はぎりぎりの角度で
懸命にこらえている
何かを
何かではないものにしたいと

(空見えた、空消えた)


ブランコから見た空は海に似ていた

溢れそうな感情と
同じリズムでよみがえる記憶

忘れるための何かで
いつの間にか満たされてしまうけど

君の浮かべた悲しみは
君の浮かべた涙じゃない

だってそれは
繰り返す波のように
次の喜びを運んでくれる

(空見えた、空消えた)



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