いつか春を掴む日まで/松本 卓也
冬の曇り空の隙間
陽射しが差し込んだ先を
追いかけて走ったけれど
たどり着く頃にはいつも
寂しげな笑顔を拾って
空を見上げたとしても
気ままな風が運ぶ雲
視線の先で分れて消えて
いつか温もりを抱き
春を称える時を想い
ささやかな喜びさえも
包むような悲しささえも
分かち合える笑顔を
取り戻せたら良いな
きっとそこに差す陽射し
待つだけじゃなくて
走るだけじゃなくて
許しながら待ち続け
追いかけながら手を伸ばし
春を掴むその日まで
見逃す事のないように
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