今も昔も変わらない/こめ
ふと気が付き
腕時計を見ると
もう5時
公園で無邪気に遊んでいた子供たちは
母親に手を引かれ
友達とバイバイをして
自分の家へとかえっていった
ぼくにも昔は帰る場所があったのにな
でももう大人のぼくには
帰る場所もなく
冷たい風に心を冷やしていた
すると後ろから
手で目を隠された
「ダーレだ」って言われ
ぼくはすぐ君だと分かって
手をほどいて
立ち上がった
そして君はさっきの子供と
一緒で君に手を引かれ
君の作った料理が待つ
ぼくと君の家へ帰った
まったくぼくは子供のころから
何にも変わっていなかった
いいや変わらない方のがいいのか
ぼくは君の手のぬくもりを感じ
微笑んだ
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