その白い布団のなかに/バンブーブンバ
ひしめきあう一日のあとに
コップを倒した夜は零れる
子猫の駆けた路地裏に
白い平らな月は滑る
風は
影の上に重なる雪をおくり
この街の色やかたちをおくり
世界はひとつの大きな布団になる
布団のなかに眠る
僕の親愛なる友人たちよ
布団のなかで
大きいお腹の課長代理が夢を見る
エステに通う受付嬢が夢を見る
縁無し眼鏡の新入社員が夢を見る
日々の仕事につい果てた僕の耳に
友人たちの苦しげな寝言はもぐり込む
そうしておざなり途切れたあとの
他愛もないしじまに想う
僕の親愛なる友人たちよ
せめて その白い
布団のなかに
眠れ
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