「真夜中 に キスをした」/hiyoku
真夜中にキスをした3時半
朝焼けはすぐそこまで来ている
痛む左腕で
さよならの合図をしたんだ
後ろは
振り向かずに
12時間前を思い出してる
季節外れの風鈴が揺れて
西日の差す 六畳間
僕はあの子の声を聞く
右手が冷える
音が消えて
母さんの眠る気配に
安心して
朝が近づいてくる
意味なんてないかもしれないし
誰にも届いちゃいないかもしれないけど
書くよ 今
ここでさ
四時のカッコウ時計
左腕は
まだ 痛むよ、
今日も君が笑ってくれたら と
両手を
ただ かざして
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