小さな春/こめ
今日も何にもなく
サプライズが来るわけでもなく
いつもの風景を見て
いつもの夢を見て
ぼくはまた明日の朝日と
挨拶を交わした
マフラーを首に巻いて
パーカーを着て
家を出ていつもの散歩コースを
下を見ながら歩いた
落ち葉がからからと風に吹かれて
青空に消えていった
そして川沿いの土手で
小さな春を見つけた
ふきのとうがひょっこりと
顔をだしていた
ぼくは微笑んでその小さい春を
満喫していた
まだ春はこず
でも少しづつ近づいてくる
春の足音に
心が揺れた
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