水色/船田 仰
 
瓶詰めの空気で溺れかけた会話が
ぼくのこれからにとどめをさしても
きみは多分ジーパンに携帯をつっこんで
そのまま
二月の真っ只中に蝉を

ほんとにきらいになる。
そうやって見たこともない神様を脅しながら
月より少しだけ重いグルーヴ
自転車を転がして
春っぽい冬に剃刀を

はじめまして憂鬱、くだらない嘘だ
草が絡みついた空を
幾千かに分けて飲み込み続ける

あぁ、生きるってことか。
見たこともない相手に話しかけるしかない
溺れた月を見つめたまま
とどめをさした



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