初期詩篇選集「尾行者の音楽」/岡部淳太郎
きみのこころのおもい
それは夜をてっしてずっと
しずかに けれどもとてもつよく
ひるまのなごりを かすかにとどめて
みみのはしでひびく ピアノのおと
やさしい最小音
くうきのなかで がいとうのしたで
ほしぼしのしたで 夜のとけいのしたで
かすかにひびく ピアノ・バラード
そして 夜は
いつしか まんなかをすぎて
ふと きづいてみると
ほら 朝だ
きみのこころに くらやみのかすかななごり
朝におきはじめた きみのりんじんたち
いちにちのざわめきが はじまりだすそのよこで
きみのこころに いまだにひびく
やさしいピアノの かすかな
最小音}
歌声
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