燻る恋を殺せない/なるせ
 
しんじたりあいしたりすることが
何よりもずっときれいだと思ってた
泣けるほど幸せな日々が遺したものは
枯れた花、壊れたこころ、それと
前よりもずっと強くなる想い

きずあとは思ったよりもずっと深く
涙を忘れることを許されなかった

わかっていただろ



ぼくたちはもう
一つにはなれない



知りたくもなかったことばかり
目の前をかすめてあざ笑う

どこまでも罪の意識のないあなたは
どうか五月の風にさらわれてください
あなたが遺したものばかり掻き集めてしまう癖
いずれ何も手のひらに残らなくなったとき
それが「終わり」です

ゆきばをなくした指先は曖昧にゆれる
まだあなたを忘れられずに
その温度を探るように





ゆれる





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