水死体が歌うバラッド/
金槌海豚
蔓長い水草の絡まりついた 手を叩き
水をたらふく吸って膨れ上がった 足を踏み鳴らす
「丘の裾野に咲き誇る
キンポウゲの群生から
花房一本嘴にくわえ
夜露の空を飛び渡り
あなたの窓辺に降り立って
花房横たえガラスをつつく」
「ガラスをつつく音色に震え
窓を開けて外を見たなら
あなたは既に飛び立った跡
横たえ置かれた花房は
青い花瓶に差しましょう
黄色い笑みを浮かべながら」
水撒き散らす髪の毛を岩に叩きつけて 頭を振
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