夢にすなどる/
あおば
朝の太陽が海面を舐めていく
薄汚い夜の顔も次第に和むと
薄青いものに変貌した燐光は
狭い浜で漁る月の覚醒に気がついて
最後の力を振り絞る
しぶきの中で網を引く裸の背中にも
沖の波はおだやかに大きくたゆとい
ナガスクジラのように泳いでいた
作2000/07/09
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