絨毯/燕(ツバメ)
 
私は思っていたいのです

絶望に片足を突っ込んで
生きていきたかったのです

足はいつの間にか
暖かい絨毯の上に

眠りはいつの日か
安らかなるものに

何を叫んでいいかもわからず
壊してしまう勇気も湧かず

ただ安穏と過ぎ行く日々が
たまらなく煩わしく

そして愛しい

もう何も思い出せません

アスファルトの冷たさを
眠れぬ夜の苦しみを

足元は暖かい絨毯

窮屈ではあるけれど
歩きづらくはありません

穏やかです

肌には合いません

踏みしめます

煩わしくも愛しい

絨毯の上
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