十二月のバラッド/狸亭
 

生きることに真面目になれない
いい加減ないい気な人生
時間ばかりが流れても治らない痔
慢性的な麻痺が全身にはびこり襲い来る睡魔
こんな筈ではなかったのに糸の切れた凧
うんざりして眺める世間はまるで鏡に映したよう
陰影はますます淡くなり自分に似てぼやける境界
血を流せ身を切ってもと腹が立ち

意味のないことにも命をかけろドストエフスキー
いやこの男バルザックを読んで感激し
辞典のような小説を負けずに書きまくった快男児
マルメラードフのように行き場のない足弱車
刻苦勉励の果てにどうやら辿り着いた涙の底
ウンコをきれいに拭くためにはカミが必要
淫売も韻律も印籠の中に隠蔽
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