降り来る言葉 XXII/
木立 悟
り
鏡の匙にかきまぜられて
ゆうるりとゆうるりとかがやいている
まわりつづける透明の
表と裏に書かれた名前が
明けゆく空に照らされて
眠る街のなかひとつに重なる
景は壁にしみついて
いつか壁を越えてゆく
鳥に触れれば鳥になり
子らのうたにあわせて踊る
子らの踊りにあわせて歌う
重ね置かれた衣が見つめる
誰かの小さな朝のはじまり
階段を昇り降りする明かりたち
花を語りつづけている
[グループ]
戻る
編
削
Point
(0)