深夜TV/
かのこ
何も考えずに、部屋で一人
深夜TVを見ている
自分自身の淋しさにも気付かず
心打つ音と色と光の速さを夢見ていた
なんとなく揺らしている
生活のペースもそのまま
まるで眠っている猫
不機嫌なグリーンの朝
点滅する、カーソル
暗いところで歌う
濡れた髪が
羨望
電話が手放せなくなった毎日の中
プールの底に沈んでいるような感覚
耳の中に遠く遠く響く音、光と
躰の鈍く重たい感覚
深夜TVで、忘れていく
その日常が
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