あのころ/和歌こゆみ
 
もう思い出すことしかできない時間

確かにあのとき 立っていた場所


誰かを傷つけることすら勲章で

答えをくれないあなたに苛立ったりして

あのころ 私はとても子供だった


平気だよ

もう今は『あのころ』じゃないもの

まいにちただひたすらに

思いが募ってゆくだけ

会いたさが膨張していくまま

この身をまかせています

苦しいのはそれだけ

待つことではないの
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