スカイライン/霜天
その川と海とがぶつかる場所で、誰かが手を振っている
回転を続ける灯り、列になって逃げていく光
そのどちらにも負けないように小さく、手を振っている
海はどこでも引いていき、魚が飛び跳ねる
月へ向かって
笑い残せるように
砂の上に残す乾いた
笑い、残せるように
点滅するスクリーンには誰の名前もない
エンドロールのどこにも君はいない
当てもなくただ誰かに会いたくて
開きかけた傘をもう一度、元に戻す
濡れながら雨の、暗い海を見つめて
昔はあそこに灯台があったんだよ、と
誰かの声でつぶやく
スカイライン、君によせて
一つ一つスピードを重ねていけば
君は気
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