非人称の君/木立 悟
 





落ちる雲
水に映えて
静かに踊る
非人称の君


一人もどって
も一度誰も
連れずに駆ける
非人称の君


鉛の地図においでおいで
磁石を飲みこみ 尾で示す
白いイカリをその胸に
軽くすべらせ沈ませる


悲しませた羽
しまい忘れて
飛べずに廻る
非人称の君


朽ちていき
また映えて
いつも手を喰み
そこにいる










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