死にぞこない/七尾きよし
ぼくの脈をはかりながら
今ボクは絶望的な気持ちだ
とかバカなことを言うのを聞きながら
とっくん とっくんと
だんだんしぼんでく心臓の音
とっくん とっくんと
底なしの深い深い穴の中へと
墜落しつつ
油っこいカレーが良くなかったのかな
と心臓発作の理由を考えてる途中で
ぼくは意識を失った
でも死にませんでした
いつ死んでもいいぜ
とかウソブイテるけども
人は急に死にそうになったりするもんだ
しかも
時も場所も指定できなくて
こんなとこで死んでたまるか
ってのが正直な気持ち
こんなとこで死んでたまるか
愛するお前がいないとこでは
死んでも死にきれないぜ
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