未来とその先の君へと/
松本 卓也
伸ばした指先に触れた
温もりが薄れるたびに
寂しさが生んだ幻だと
自分に言い聞かせてた
何度目かの言い訳の後
振り返った道の向こう
通り雨に濡れた路面に
微かな足跡が続いてて
軌跡が僅かに照らした
道標は僕を追い越して
いつしか遠く彼方へと
誘うと信じているから
詠う声が響く風の先に
やがて届く誰かの姿が
微笑である事を願って
詠う僕の音色がいつか
夢を蹴破って明日へと
未来とその先の君へと
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