夜の世界/AKiHiCo
 
機械音だけが響く夜に
静かな中に悲しみが宿るのです
生きているのに死んでいる感覚が
体中を走って止まりません
自由を奪われた体が求める安らぎは
誰かの温もりでしょうか

いつかの夜には
誰かが私を優しく抱き締めて
生きている真実を教えてくれました
伝わってくる人の温もり
景色はいつも夜で
瞼を開けても暗黒だけの世界に
独りきりでいるようで

荊の冠が食い込む痛みさえ
私には快楽なのはなぜでしょう
纏わり付く蔦がベットから
降ろすまいと縛り付けます
そんな事をしなくとも
私は逃げたりしないと言うのに

月明かりさえ届かないのです
私の心はあまりにも深すぎ
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