競馬新聞の男/仲本いすら
 
だった、乱してほしくなかった。
その当事、色々とイラついていたこともあったのでまず怒ってしまった。

次にきた感情。
それは「哀れみ」だった。自分の大嫌いなそれを、自分はしてしまった。
なんてこった、って後悔してもしきれないくらいに
自分はアノ人たちを哀れんでしまっていた。

次に「せつなさ」
この状況にいる自分、そして競馬新聞の彼、むすこ。
どうしてこんなにもおなじ人間で、こうも違うのだろう。
神を恨んだ、世間を恨んだ、自分を恨んだ。
不甲斐ない自分にも、また、怒った。

そしてなぜか「愛しく」思えた。

なぜだろう、なぜこんなに愛しかったんだろう。
容姿が好きだったとか、そういうんじゃない。
ただ、漠然と愛しく思えた。
心の奥底から、愛しく思えたんだ。

それは、自分でもよくわからない。


これが、自分の感想。
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