青いキャンディー/本村K
 
 雨に染まったコンクリイト、のニオイ
干した布団を取り出そうとして
ベランダに出て行った
ビショビショになった布
黙って見つめ、ただ笑っていた

 ひさびさにサラダを食べた
身体にブツブツができてから
食べないでおこうと思っていたのに
いくら食道を転がったところで
何も変わらなかった

 むかし大きな穴掘ってねがった
ひとりになりたいっていう夢
もう叶ってしまった
今はその空っぽになった身体に
土を流し込んでいる

ぜんぶホントで、でもぜんぶウソだったから
知らないフリも
わかったようなツラも
みんなヘタになってしまったよ

おとなにあこがれて
メルモちゃんの青いキャンディー食べたこと
後悔している

大人になったいまさら
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