きみに/入谷理
君に何か言おうと笑ってみても
なにもできずに
僕ら、気づかっていても
たがいの距離が量りきれない
遠く、目に見えぬ明日
不安だらけで少し苦しい
この夜を飛び越えて君に
会いに行けたら、闇に願う
ギュッと抱きしめてたいよ、君を
心の奥から祈るように
たとえ一瞬の光だとしても
これが正直な気持ちだから
さらけだして、恥ずかしがらずに
君と行くのさ
夢見るように笑って、
抱きしめる全部
赤く光る星からとどいたような
虹色のペンで
夏のノート塗り潰す
余白だらけの胸をうめたい
やがて、気がつく時が
来るだろうか? 壊したくないよ
この時が波のまにまに
消えてゆくこと、信じたくない
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